classicviolin’s diary

バイオリンを教えています

交錯する旋律 バッハはかくも難しい

ヴァイオリニストの永遠のテーマとも言える

バッハ/無伴奏ヴァイオリンソナタ&パルティー

何故パガニーニでもエルンストでもサラサーテでもなくバッハなのか。

 

ヴァイオリニストが書くバイオリン曲は、当たり前だがヴァイオリンで演奏して映えるように作曲されている。

即ち演奏者にとって運指、運弓が自然に感じられ

練習を重ねる程に効果が得られるもの。

 

 

一方で、教会のオルガニストだったバッハの作品は旋律を複数重ねた対位法を用いて作曲されており

そのため、単旋律を得意とするヴァイオリンで複数旋律を演奏しなければならず

そこにメロディーの流れと和音の自然な響きを両立させるという矛盾した二つの要素を考える必要があるのだ。

 

音程の定めかたには明確なルールがあって

(ピアノの調律で用いる平均律とは全く違うものです、そのためピアノでヴァイオリンの旋律を弾いてもヴァイオリンの音程にはなりません)

そこはレッスンで教えられますが

バッハのように多声部を演奏する際には

そのルールに従うと流れがうまくつながらなかったり、響きに穴が空いたような違和感が頻出するので

その違和感を解消する方法を探すのだけれど

その作業たるや気の遠くなるような思いをすることになるのだ。

 

学生の頃からバッハを演奏すると異常に疲れるのは音が多いためだと思っていたけれども

どうやらそれだけではなかったようだ。

 

 

 

音楽に囲まれた静かな町「まつぶし」でヴァイオリンを教えています 埼玉県 北葛飾郡 松伏町 ヴァイオリン 教室 バイオリン レッスン