classicviolin’s diary

バイオリンを教えています

プログラムノートより

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今月末に予定している演奏会のプログラムに

アストル・ピアソラが作曲した「ブエノスアイレスの四季」があります。

当日お客さんへ配られるプログラムノートを書いてみました。

 

Astor Piazzolla (アストル・ピアソラ):ブエノスアイレスの四季

 

アルゼンチン生まれ、アメリカ育ちの作曲家兼バンドネオン奏者であるアストル・ピアソラ(1921-1992)は、限られた地域でのみ演奏されていたアルゼンチンタンゴを独自の目線で世界へ広めた。

当時世界大戦に加わっていなかったアルゼンチンは好景気に沸き、世界中から労働者が流入する玄関口としての役割を担っていた。首都ブエノスアイレスのなかでも港町として栄えたボカ地区はタンゴの街として有名である。

ピアソラの作品の多くに自身のクラシック音楽への憧憬とジャズ要素の融合が見られ、彼の手によってアルゼンチンタンゴは踊るためのタンゴから聴くためのタンゴへ昇華されたと言える。

今回弦楽五重奏の編成で演奏される「ブエノスアイレスの四季」は、通常バンドネオンで奏されるメロディ部分を弦楽器が担うが

それによってイメージを損なうことなくタンゴ特有の四拍子リズムが保たれつつ、速度を変化させながら展開される。

 


「春」10月になるとハラカンダの花で満たされるブエノスアイレスの春

街中が薄紫色に染まり希望に溢れるさまを打楽器的奏法で表現している。


「夏」12月頃ブエノスアイレスは本格的な夏を迎える

夏の気だるい季節を陽炎の揺らぎを思わせる旋律とグリッサンドで表現している。ピアソラによる四季の構想は、この「夏」が始まりだと言われている。


「秋」3月から5月にかけて、日照時間が急激に短くなるブエノスアイレス

タンゴのアクセントが次第に重みを増しつつ、バイオリンの奏でるハーモニクスが冷たい冬を予感させる。

 

「冬」ブエノスアイレスの冬期間としては6月から9月頃がそれにあたる。冒頭に流れる荒涼とした旋律をヴァイオリンが奏で、それに呼応するようにチェロ、ヴィオラが折り重なるように展開する。

 

音楽に囲まれた静かな町の「田園ホール エローラ」そばでヴァイオリンを教えています 埼玉県 北葛飾郡 松伏町 ヴァイオリン 教室 バイオリン レッスン

 

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